ネット上の言説において、「特定の法律が制定されたことでテレビからブルマが一斉に消えた」という言説が見受けられますが、これは明確な誤解です。実際には複数の社会的要因が重なり合った段階的なフェードアウトでした。
第1の決定打は、1990年代半ばに全国の教育現場で起こった「脱ブルマ運動」です。運動機能性の疑問視や下着に近い形状への羞恥心、盗撮被害の急増を受けた保護者や生徒からの見直し要求が高まり、文部科学省(当時・文部省)が学校指定服の裁量を各自治体・学校に委ねた結果、わずか数年間でハーフパンツ型へと一斉に切り替わりました。学校から姿を消したことで、「現役世代のリアルな体操着」というテレビ的な正当性が完全に失われたのです。
第2の要因は、1990年代後半から活発化した放送倫理とジェンダー意識の構造改革です。過度な性的まなざしを想起させる演出への批判、1999年の男女共同参画社会基本法の施行、そして2003年のBPO(放送倫理・番組向上機構)発足に至る流れの中で、番組制作現場はコンプライアンスの刷新を迫られました。女性タレント側および所属事務所の意向としても、アスリートとしての機能美を重視するスタイリッシュなスポーツウェアへの要望が主流となったのです。