軌道敷内(きどうしきない)とは、道路上において路面電車が安全に走行するために設けられた専用の敷地を指します。具体的には、敷設されたレールの外側それぞれ60cmまでの範囲(敷軌条間およびその両側各0.6メートル)が法令上の軌道敷にあたります。路面電車が走行する際、車体がレール幅よりも外側へ張り出すため、接触を防ぐ安全マージンとしてこの幅が厳密に定められています。
道路交通法第21条第1項には「車両は、軌道敷内を通行してはならない」と明記されており、原則として車(自動車、原動機付自転車、軽車両)の進入・走行は一切禁止です。路面電車は数十トンから百トン近い重量があり、自動車のように急ブレーキを踏んでもすぐには止まれません。制動距離の長い大型公共交通機関の安全を確保し、都市交通の定時性を守るため、法律によって一般車両の進入が制限されています。
都市部では路面電車が走る道路の中央部が白の実線や黄色線、または石畳などで視覚的に区別されています。普段路面電車に馴染みのない地域のドライバーが旅先や出張先で運転する場合、道路中央に車線感覚で進入してしまい、後方から迫る電車に警笛を鳴らされるトラブルが散見されます。