アパレル業界の企画開発データやスタイリストの証言によると、近年は春夏物だけでなく秋冬のニットスカートやシフォン素材においても、コスト削減や着心地の軽やかさを追求する目的で「裏地をあえて付けない仕様」のアウターが急増しています。裏地のないボトムスを直穿きすると様々なトラブルが生じるため、ペチコートの役割と必要性はかつてないほど高まっています。
ペチコートが果たす決定的な機能は、主に以下の4点に集約されます。
第一に、スカートの透け防止インナーとしての役割です。屋外の自然光や商業施設の強いダウンライトは、肉眼で見る以上に生地を透過します。ペチコートを1枚挟むだけで、ショーツの色柄やTバックの陰影、脚のラインが浮き彫りになるのを物理的に遮断します。
第二に、下着の凹凸やヒップラインの段差をフラットに整える効果です。タイトスカートや光沢のあるサテンスカートを着用した際、ショーツの縫い目やゴムの締め付けによる段差がアウターに浮き出る「パンティライン問題」を滑らかな生地面で覆い隠します。
第三に、摩擦の軽減とペチコート静電気対策です。ウールや化繊のスカートがストッキングやタイツに張り付いて歩きにくくなる現象は、生地同士の摩擦係数を下げる滑りの良いペチコートを挟むことで劇的に改善されます。
第四に、汗や皮脂による衣類の劣化防止です。直接肌が触れないため、夏場の汗ジミや座りジワ、摩擦による毛玉の発生を大幅に抑え、高価なスカートやワンピースを長く美しく保つ保護材として機能します。