芸能人が自身の病気や障害を公表する背景には、単なる自己開示にとどまらない、深い葛藤と切実な動機が存在します。
誤解や憶測に対する「防衛と是正」
タレントがカメラの前で不自然な動きや発声を見せた際、かつては「ドラッグを使用しているのではないか」「精神的に不安定で危険だ」「悪ふざけをしている」といった心ない誹謗中傷に晒されるケースが多発していました。ルイス・キャパルディが公表した際にも、「奇異な目で見られる前に、医学的な事実を伝えて自分を守る必要があった」と述べています。公表は、無用な憶測に終止符を打つための正当な防衛策といえます。
当事者コミュニティへのエンパワーメント
ビリー・アイリッシュは、米トーク番組『My Next Guest Needs No Introduction』において、デヴィッド・レターマンのインタビューに対し次のように述べています。
「私が症状を出したとき、大半の人は私がおかしな顔をしてふざけていると思って笑うんです。そのたびに深く傷ついてきました。でも、公表したことで『実は自分もトゥレットです』と打ち明けてくれるファンやアーティスト仲間がたくさんいることを知りました」
社会的影響力を持つ著名人が自ら看板を下ろして真実を語ることは、学校や職場で孤立しがちな当事者にとって、計り知れない安心感と自己肯定感をもたらす契機となっています。