星のや富士に関する口コミや宿泊記ブログを精査すると、評価が極端に二分する現象が浮き彫りになります。一方は「森の静寂と焚き火に癒やされた最高の非日常」と称賛し、もう一方は「階段が多くて疲れた」「ルームサービス感覚で待っていても何も始まらない」と不満を漏らします。このギャップが生じる最大の要因は、施設コンセプトである「グランピング」の解釈にあります。
一般的な星野リゾートの高級旅館(例えば「星のや京都」や「界」シリーズ)のような至れり尽くせりのフルサービスやお部屋食をイメージして訪れると、星のや富士の滞在スタイルに戸惑いを覚えることになります。敷地は富士山麓の急斜面に沿って設計されており、レセプションから宿泊棟(キャビン)、最上部の「クラウドテラス」までは最大で約100段以上の階段や傾斜を自力で上り下りしなければなりません。
能動的に森へ足を運び、自ら火を熾し、アウトドアの空気を五感で楽しむマインドセットを持てるかどうかが、滞在の満足度を決定づける境界線となっています。