現在、外食産業全体が空前の原料高や人手不足という厳しい試練に直面している。低価格を維持するためにロボットによるシャリ成形や全自動化を進める店舗が増加する回転寿司業界において、あえて時代に逆行するかのような職人主義を前面に打ち出す異色の存在が話題だ。
仕入れた魚をマニュアル通りに切り分ける作業とは訳が違う。ここでは熟練の寿司職人がネタの状態を見極め、包丁の入れ方ひとつにまで神経を研ぎ澄ませる。伝統的な江戸前寿司の技法と美学を損なうことなく、誰もが気軽に立ち寄れる日常使いの寿司屋として着実にブラッシュアップさせてきた。その頑なな姿勢こそが、本物を知る大人たちを引きつけてやまない最大の原動力と言える。