修行を始めた初日、1万回の正拳突きを終えるまでに要した時間は18時間余りでした。すべての突きを終えた頃には日は暮れ、ネテロはその場に倒れ込んで眠りにつく壮絶なスタートでした。しかし、雨の日も風の日も毎日欠かさず祈りと突きを捧げ続けたことで、驚異的な変化が起こり始めます。
5年以上の歳月が流れた頃、ネテロは異変に気付きます。1万本を突き終えても、まだ太陽が天高く昇っていたのです。祈り、構え、突くという一連の動作スピードが異次元の領域へと達し、開始当初18時間以上かかっていた全行程が、なんと1時間を切るまで短縮されていました。
その研ぎ澄まされた拳は、ついに「音を置き去りにした」と形容される不可視の超音速領域へ突入します。余計な思考や筋力の力みが極限まで削ぎ落とされ、感謝の祈りに専念した結果、ネテロは念能力「百式観音」の絶対的なスピードを確立。山を下りたネテロがかつての名門道場を訪れ、放った一撃は師範代に「拳が消えた」と錯覚させ、涙を流して門下に入ることを懇願させるほどの神域へ達していました。