「サンタさんは本物なの?」という疑問を子供が口にした瞬間、多くの大人は「いるに決まっているでしょ」と押し切るか、「実はね……」と白状してしまうかの極端な二者択一に陥りがちです。しかし、教育現場や児童心理の視点から見ると、この質問は単なる詮索ではなく、子供の論理的思考力が順調に育っている証拠といえます。
三重大学教育学部幼児教育講座の富田昌平教授が行ったサンタクロースの認知に関する調査データによると、子供たちが「サンタの実在」に疑問を持ち、周囲に問いかける時期は6歳から8歳の小学校低学年に集中しています。幼稚園・保育園時代までは「信じる/信じない」の境界線すら意識しなかった子供が、小学校に入学して他者との対話を重ねる中で、「煙突がない家にはどうやって入るのか」「世界中の家に一晩で回れるはずがない」という物理的矛盾に気付き始めるためです。
子供から不意に尋ねられた際、夢を壊さず知的な納得感を与えるための子供への上手な答え方まとめとして、教育関係者や先輩パパママの間で高く評価されているのが「逆質問から始める対話法」です。
「どうしてそう思ったの?」「〇〇ちゃん(くん)はどう思う?」と一度ボールを打ち返すことで、子供がどの段階の疑問を抱いているのかを把握できます。友達から聞いて不安になっているだけなら「世界中に本物のサンタさんは実在するよ」と事実を伝えるだけで安心しますし、物理的な仕組みに疑問を持っているなら、次に解説する「実在する公認サンタ」や「歴史的背景」をファクトとして共有するアプローチが極めて有効です。