井頭愛海のキャリアを振り返る上で外せないのが、2012年に開催された「第13回全日本国民的美少女コンテスト」です。応募総数10万2,564人という熾烈な倍率の中から審査員特別賞に選出され、米倉涼子や上戸彩、武井咲らを輩出した名門事務所への所属を勝ち取りました。同コンテストのファイナリストで結成された次世代ユニット「X21」の主要メンバーとしても活動し、ステージでの表現力や度胸を磨き上げていきます。
子役・女優としての頭角を現すのは極めて早く、2013年には映画『おしん』で主人公の奉公先である加賀屋の三女・加代の幼少期役を射止め、銀幕デビューを飾りました。監督や現場スタッフから「セリフを発する前の目の動きだけで感情を語れる」と称賛された天性の才能は、瞬く間に業界内の注目を集めることになります。
そして2016年、彼女の知名度を全国区へ押し上げたのが、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』への大抜擢でした。ヒロイン・すみれ(芳根京子)の娘である坂東さくらの15歳以降を演じるにあたり、母への反抗期や葛藤、そして自立していく繊細な心の機微を表現。当時15歳だった彼女自身の実年齢とも重なり、瑞々しくも胸を締め付ける熱演は「朝ドラ屈指の娘役」として社会的な反響を呼びました。
その後も歩みを止めることなく、2026年には奥河内(大阪府河内長野市周辺)を舞台にした青春映画『鬼ガール!!』で長編映画初主演を達成。鬼族の末裔というユニークな設定の女子高生・鬼瓦ももか役を熱演し、コミカルな芝居から胸を打つクライマックスまでを力強く牽引しました。フジテレビ系ドラマ『波よ聞いてくれ』や関西テレビ制作ドラマ、舞台公演に至るまで、役の大小を問わず作品の根底を支える「確かな演技力」は、単なる美少女タレントの枠を完全に脱却した証拠と言えます。