同じ「おやつの時間」であっても、子供と大人ではその栄養学的な目的が根本から異なります。ここを取り違えると、子供の成長障害や大人の生活習慣病を招くリスクが生じます。
保育園や幼稚園におけるおやつは、単なる嗜好品やご褒美ではなく、「第4の食事(補食)」として厳密に位置づけられています。乳幼児は基礎代謝が高くエネルギー消費が激しい一方で、胃袋の容量が小さく、消化器系の機能も未発達です。1日3回の食事だけでは、成長に必要なエネルギーや鉄分、カルシウムなどの微量栄養素を満たすことができません。
そのため、乳児・幼児期のおやつには、おにぎり、ふかし芋、サンドイッチ、果物、小魚、牛乳といった「食事の延長線上にある食品」が提供されます。活動量の多い午前(10時頃)と昼寝明けの午後(15時頃)の2回に分けて提供されるケースが多いのも、小刻みなエネルギー補給が不可欠だからです。
一方、成長期を過ぎた大人の間食は、不足したカロリーを補うためではなく、「血糖値の安定、集中力の回復、精神的なリフレッシュ」を主目的とする戦略的ツールです。大人が子供と同じ感覚で炭水化物主体の補食を摂取し続けると、慢性的なカロリー過多に陥るため注意が必要です。