ネットニュースで毎年飛び交う「紅白内定」という言葉には、メディアと芸能事務所の駆け引きが生み出す盲点が存在します。
実は、NHK公式が「内定」という言葉を使用することは一切ありません。スポーツ紙が報じる内定記事の多くは、事務所側との出演交渉が最終合意に達した段階で関係者から得たリーク情報に基づいています。しかし、演出内容や曲順、歌唱曲の選定(新曲か過去の代表曲か)を巡る条件面で折り合いがつかず、直前で白紙撤回となるケースも過去には存在しました。
また、「落選=人気急落」という単純な構図も誤解です。アーティスト側の全国ツアー日程、ボーカルの喉の休養期間、あるいはレーベル全体の推薦枠配分など、大人の事情と呼ばれる複合的なパラメータが絡み合っています。選外となった事実だけを切り取って人気を測ることは、音楽ビジネスの実態を見誤る原因となります。