高級ハンドスピナーの価格を押し上げる最大の要因は、原材料の希少性と加工プロセスの過酷さにあります。大量生産のプラスチック射出成形やダイカスト鋳造とは異なり、高級機は高精度CNC(コンピュータ数値制御)旋盤を用い、金属の無垢材から数時間をかけて1点ずつ削り出されます。
採用されるマテリアルは極めて多彩かつ贅沢です。比重と強度のバランスに優れ、美しい陽極酸化皮膜(アルマイト)による発色を楽しめるチタン(Grade 5 / Ti-6Al-4V)をはじめ、使い込むほどに重厚な黒錆をまとうジルコニウム、比重が極めて高く小径でも圧倒的な遠心力を生み出すタングステン、そして幾重にも重ね合わせた異種金属が神秘的な木目状の波紋を描くダマスカス鋼やモクメガネ(木目金)などが惜しみなく投入されます。
さらに回転の心臓部となる軸受けには、スケートボード用とは一線を画す高精密ハイブリッドセラミックベアリング(外輪・内輪は高硬度ステンレス、ボールに窒化珪素セラミックを採用)や、ドライ状態で真価を発揮するフルセラミックベアリングが組み込まれます。極限の真球度を誇るセラミックボールと高精度リテーナーの組み合わせにより、摩擦係数は理論的限界近くまで低減され、注油なしでも驚異的な低ノイズと長時間の回転を持続させます。