近年、首都圏では共学志向が高まり、「女子校は閉鎖的ではないか」「男子がいない環境では社会性が偏るのではないか」といった画一的な女子校批判が一部で散見されます。しかし、中村学園の現場を取材すると、そうしたネット上の誤解とは正反対のダイナミックな現実が見えてきます。
共学校では無意識のうちに「力仕事やリーダー役は男子、サポート役は女子」といった無意識のジェンダーバイアスが生じがちです。対して、完全な女子教育環境である中村中学校・高等学校では、学校行事の企画・運営から音響機材のセッティング、重い荷物の運搬、外部とのタフな交渉に至るまで、すべての役割を女子生徒自身が担い切ります。この「逃げ場のない経験」の積み重ねこそが、誰かに頼るのではなく自らの頭で考え決断する強力な主体性を育みます。
また、「おとなしい生徒ばかりが集まるのではないか」という先入観も事実無根です。深川の伝統的な祭りや行事に地域連携で参加する生徒たちの活気、部活動に汗を流す真剣な眼差しは実にエネルギッシュです。お互いの趣味や価値観を否定せず、「自分は自分、人は人」として認め合う心理的成熟が、生徒同士の心地よい連帯を生み出しています。