楽曲の切なさを何倍にも増幅させたのが、公式ミュージックビデオ(PV)で描かれたドラマ仕立てのストーリーです。それまでの浜崎あゆみの映像作品といえば、豪華絢爛なセットやハイファッションに身を包んだアヴァンギャルドな世界観がトレードマークでしたが、本作ではそのパブリックイメージを鮮やかに覆しました。
舞台はどこか懐かしさを感じさせる下町の中華料理店風の定食屋。浜崎あゆみは髪をラフに束ね、エプロン姿で厨房や接客に奔走する「看板娘」として登場します。そこに通う常連客の青年を演じたのが、長年彼女のバックダンサーとして絶大な人気を誇ったSHU-YAでした。バイクをいじり、ぶっきらぼうながらも優しく微笑みかけるSHU-YAに対し、浜崎演じる主人公は淡い恋心を抱き、彼が店を訪れるわずかな時間だけを日々の糧に生きています。
しかし物語の終盤、衝撃的な結末が訪れます。彼のために心を込めて料理を運び、勇気を出して想いを伝えようとしたその瞬間、店の扉を開けて入ってきたのは、彼の本当の恋人でした。二人が親しげに寄り添い、幸せそうに笑い合う姿を目の当たりにした主人公は、自分の気持ちを完全に封印し、精一杯の作り笑顔を浮かべてお冷やを運びます。この「報われない結末」と、店外で見せる切なさに満ちた表情の演技は、当時のファンや視聴者に強烈な余韻を残しました。
同時収録された『GREEN』のPVが中国の宮廷を思わせる超大作オリエンタルファンタジーであったのに対し、『Days』は徹底して市井の人々の生活感情に寄り添うアプローチが採られました。この鮮烈なコントラストこそが、彼女のアーティストとしての幅広さを証明する決定打となったのです。