ネット上の口コミや旅行相談掲示板で頻繁に見受けられるトラブルが、広島市中心部に存在するもうひとつの名門、「ひろしま美術館」との誤認・混同です。タクシー運転手に「美術館まで」とだけ告げて意図しない方へ運ばれてしまったという事例は今なお後を絶ちません。
両者の違いを明確に把握しておくことが不可欠です。
- 広島県立美術館(当館):中区上幟町(かみのぼりちょう)所在。県立。名勝「縮景園」に隣接。ダリ、平山郁夫、靉光、近現代アジア工芸が軸。
- ひろしま美術館:中区基町(もとまち)所在。広島銀行が設立した公益財団法人が運営。旧広島市民球場跡地(ゲートパーク)そば。ゴッホ、モネ、ルノワール、ピカソなどフランス印象派中心。
「名画を見に行く」という大雑把な認識でいると、印象派を見たいのにダリの前に到着したり、庭園を歩きたいのに中央公園側に立っていたりというミスマッチが生じます。目的地設定の際は必ず「上幟町の県立美術館」と確認してください。
また、アクセスと駐車場に関しても現場視点での注意が必要です。美術館の地下には専用駐車場が用意されているものの、収容台数は約60台程度に限られています。特別展の週末は午前10時過ぎの段階で満車ランプが点灯し、隣接道路に入庫待ちの列を作ることが構造上難しいため、警備員から周辺の民間コインパーキングへ回されるケースが多発します。
広島駅南口からであれば、徒歩でも約15分、広島電鉄(路面電車)の白島線に乗れば「縮景園前駅」下車すぐ(所要約10分)という好立地です。旅行者であれば、渋滞や駐車料金(周辺相場は平日30分200円〜400円、土日上限なし設定も散見)のリスクを避け、公共交通機関でのアプローチを強く推奨します。