長編映画ばかりが脚光を浴びがちだが、ファンの間で「最も泣ける」と語り継がれる伝説的短編が存在する。2000年に同時上映として公開された『映画ドラえもん おばあちゃんの思い出』だ。
ボロボロになったくまのぬいぐるみをきっかけに、タイムマシンで過去へ向かうのび太。すでに亡くなった優しい祖母に一目会いたいという衝動は、誰しもが抱く後悔と哀愁に直結する。幼いのび太を抱きしめ、「のびちゃんのお嫁さんを一目見たいねえ」と微笑むおばあちゃんの姿。そこにあるのは、見返りを求めない圧倒的な無償の愛だ。この短編が描く情景の美しさと切なさは、どんな長編大作にも引けを取らない。