日帰り客や湯治客が毎日足を運ぶ中心施設が「豊富温泉ふれあいセンター」だ。館内には一般客用の浴槽とは別に、湯治専用のコンディショニング浴槽が設けられている。原油成分がより濃く浮き出た専用風呂では、じっくりと自分の肌と向き合う時間が流れる。
地域を挙げた手厚いサポート体制も見逃せない。北海道北部、利尻山を遠くに望む豊富町では、町をあげて湯治客を受け入れる環境づくりに注力してきた。「湯治コンシェルジュ」と呼ばれる専門スタッフが常駐し、入浴方法のアドバイスから滞在中の生活相談、メンタルケアまで寄り添う。病に悩む人々を温かく包み込む街ぐるみの温情こそが、回復を後押しする隠れた名薬となっている。