だが、栄光の時間は長く続かなかった。2016年春、球界を揺るがした不祥事への関与が発覚。日本野球機構から失格処分を下され、ユニフォームを脱ぐことを余儀なくされた。自責の念に苛まれ、グラウンドを離れた高木を待っていたのは、先の見えない空白の日々だった。
ボールを握ることすら躊躇われる精神状態。それでも彼を再び突き動かしたのは、裏切ってしまったファンへの懺悔と、投げ続けたいという身体の奥底から湧き上がる衝動だった。孤独な自主トレ。壁当ての乾いた音だけが響く静まり返った河川敷で、左腕は己の犯した罪の重さと向かい合っていた。