鬼隠し編屈指のトラウマシーンとして語り継がれる数々の怪異も、客観的な真実を知ることで全く異なる意味を持ちます。
まず、シリーズ屈指の名台詞である竜宮レナの「嘘だッ!」。ゴミ山(宝探し)の現場で圭一が大石刑事と接触していたことを隠し、「何も知らない」と嘘をついた瞬間にレナが激昂するシーンです。一見すると狂気に満ちた脅迫に見えますが、実態は「心を許し合っているはずの親友が、自分に壁を作って嘘をついたことに対する深い悲痛の叫び」でした。レナ自身も過去に心の傷を負っており、圭一の異変や隠し事に誰よりも敏感に気付いていたからこその激情だったのです。
次に、読者に決定的な恐怖を植え付けた園崎魅音のおはぎに仕込まれた針の真相です。圭一が口にしたおはぎに縫い針が入っていたとされるこの場面ですが、実際には針など一切入っていませんでした。魅音はお弁当のおかずとして、罰ゲーム感覚で一部のおはぎに激辛の「タバスコ」を仕込んでいただけであり、圭一の錯乱した脳が辛味の痛烈な刺激を「口内に刺さる針」と誤認・幻覚化したに過ぎません。
そして物語終盤、自宅に押し入ったレナと魅音が圭一に打とうとした謎の注射器。圭一はこれを「オヤシロさまの祟りに見せかけて自分を毒殺するための薬物」と思い込み、二人を金属バットで殴打して命を奪ってしまいます。しかし、解答編で判明した鬼隠し編の注射器とマジックの謎における真実は、ただの水性マジックでした。学校を休みがちで元気を失っていた圭一を励ますため、部活仲間として「体中に落書きをして笑顔を取り戻させよう」とペンを持参していただけだったのです。白いワゴン車も怪しい組織の車ではなく、圭一を心配して駆けつけた入江診療所の往診車でした。