ファンの間で長年議論の的となってきたのが、「エイリアン」と「リトル・グリーン・メン(Little Green Men / 略称:LGM)」という2つの呼び名の関係性です。ディズニー公式サイトのキャラクター紹介では「エイリアン」と表記される一方、パーク内グッズやファンの間では「リトル・グリーン・メン」の名が広く浸透しています。
この二重呼称のルーツを辿ると、ピクサーによる設定の変遷とSFカルチャーの歴史が見えてきます。1995年の映画第1作『トイ・ストーリー』公開当時、劇中のエンドロールにおける公式クレジット表記は単なる「エイリアン(Aliens)」でした。彼らは個体としての名前を持たない「不特定多数の群衆」として設計されていたのです。
一方、「リトル・グリーン・メン」というフレーズは、20世紀半ばからアメリカの古典的SF小説やUFO遭遇譚において「緑色をした小柄な地球外生命体」を指す定番のスラングとして親しまれてきた言葉でした。映画公開後、ウッディやバズ・ライトイヤーが劇中で彼らを指して呼んだ呼称や、関連トイを展開する米マテル社などの商品パッケージに「Little Green Men」と記載されたことがきっかけで、一気にファン層へ定着していきました。
では、彼らに個別の「本名」は存在するのでしょうか。調査の結果、映画本編およびピクサーの公式アーカイブにおいて、彼ら1体1体に個別の本名は設定されていません。彼らは常に「集合体」としての存在であり、クレーンゲームという限られた空間で同一の思考、同一の信仰を共有する存在として描かれているためです。この「個を識別する名前を持たないこと」こそが、彼らの不気味さと愛らしさを両立させる極めて重要な演出意図なのです。