現場のリアルな実態を知るため、麻雀用具の専門業者や実際の購入者の証言を検証すると、中古市場の表と裏が浮き彫りになります。
都内近郊を中心に麻雀用具の販売・保守を手がける「東京カキヌマ」のような老舗専門業者の現場では、中古卓の再出荷にあたり、単なる動作確認にとどまらない徹底したオーバーホールが行われています。外装パネルを取り外し、数十カ所に及ぶギアへのグリスアップ、光学センサーの受光部清掃、ベルトテンションの再調整、そして数日間にわたる数百回の連続昇降ストレステストを経てようやく市場に出されます。万が一の不具合に対しても「翌日には駆けつける」というフットワークとアフターサポート体制が敷かれており、これこそが個人売買には絶対に不可能な付加価値です。
対照的なのが、知恵袋やSNSなどのコミュニティに投稿される個人間購入者の生々しい体験談です。
「ヤフオクで点数表示付きアモスを9万円で落札。出品者は『直前まで完動』と書いていたが、届いてみたら点棒読み取りセンサーが東場と南場で全く反応しなかった。分解して清掃しようとしたらフラットケーブルを断線させてしまい、完全に文鎮化した」(30代男性・愛好家)
「ジモティーで格安の家庭用卓を譲り受け、軽トラを借りて友人と運んだ。だが階段を運ぶ際に斜めにした衝撃で内部の牌送りチェーンが外れたらしく、電源を入れた瞬間にガガガと異音がしてエラー停止。自力で直す知識もなく、ただのリビングの邪魔な障害物になっている」(20代男性・大学生グループ)
これらの声が物語るのは、麻雀卓が「家電製品」ではなく「繊細な産業機器」であるという冷厳な事実です。専門知識のない個人がメンテナンスなしに長期間運用することは、極めて難易度が高いと言わざるを得ません。