日本発のレザーブランドが海外で評価される際、往々にして「和の伝統」や「職人芸の緻密さ」といった記号が消費されがちだった。しかし、彼らはそうした安易な文脈に乗ることを潔しとしない。ロンドンやパリの名だたるセレクトショップでバイヤーたちを唸らせているのは、極めてコンテンポラリーで乾いた、インターナショナルな造形感覚だ。
東京という雑多なメガロポリスが生み出す工業的な風景、文具の精緻さ、そして冷徹な構造美。それらがトスカーナの伝統的なバケッタレザーと融合したとき、国境を越えた普遍的な美しさが立ち現れる。ローカルに深く潜り込むことで、結果として世界で唯一無二のポジションを獲得した好例と言えるだろう。