野外におけるカマキリの卵の孵化時期は、桜の季節が過ぎて新緑が深まる4月下旬から5月下旬頃がピークです。気温が安定して20度を超える日が続くと、卵の中で十分に育った幼虫たちが一斉に外の世界へと飛び出します。
孵化が近づいた際に見逃せない前兆として、卵のう表面の微細な変化が挙げられます。普段は硬いスポンジ状の層ですが、孵化の数日前から中心の出口付近がわずかに緩み、すき間が広がったように見えるケースがあります。また、早朝から午前中の暖かい時間帯(朝7時から10時頃)に集中して脱出が始まる点も大きな特徴です。
幼虫たちは「前幼虫(ぜんようちゅう)」と呼ばれる薄い皮をかぶった状態で、卵のうから糸を引くようにぶら下がりながら現れます。数分で最初の脱皮を終えて見慣れたカマキリの姿へと変わり、四方八方へ走り出します。この劇的な瞬間を見届けるためには、4月中旬を過ぎたら朝の観察を日課に据えるのがベストです。