知らないと恥をかく!お札の封筒への入れ方、慶事と弔事で向きが真逆になる理由

知らないと恥をかく!お札の封筒への入れ方、慶事と弔事で向きが真逆になる理由

知らないと恥をかく!お札の封筒への入れ方、慶事と弔事で向きが真逆になる理由の要点や背景を専門的かつ分かりやすくまとめました。全体像を一目で把握できます。

ご祝儀とお香典でお札の入れ方が180度異なるのは、単なる慣習の丸暗記ではなく、背景にある「日本人の身体所作と感情表現の結びつき」を紐解くことで明快に理解できます。

結婚式や出産祝いなどの慶事では、「お札の表(肖像画がある面)を封筒の表」に向け、さらに「肖像画が封筒の口(上側)」に来るように収めます。これには「封を開けた瞬間に肖像画と目が合い、喜びを顔を上げて共にお祝いする」という意味合いが込められています。また、事前に準備を整えて慶びの日を待ち望んでいたことを表すため、シワのない新札(ピン札)を用いるのが絶対のマナーとされています。

一方で、葬儀や通夜などの弔事(香典)では、「肖像画を封筒の裏側(底側)」に向け、さらに「肖像画が下側」になるよう逆さまに入れます。これには「悲しみのあまり顔を伏せて涙に暮れる姿」を紙幣の肖像画になぞらえ、故人や遺族への深い哀悼を表す意図があります。さらに、弔事では「不幸を予期して新札を用意していた」と受け取られないよう、あえて使用感のある旧札を使うか、新札しかない場合はあらかじめ中央に一度折り目をつけてから包むのが礼儀とされてきました。

文化人類学や民俗学の視座から見ても、日本の儀礼空間では「日常・ハレ(慶事)」と「非日常・ケ(弔事)」を明確に逆転させる『逆さ事(さかさごと)』の思想が根強く息づいています。お札の向きを反転させる行為は、非日常の悲しみを共有するための静かな記号論的作法なのです。

佐々木 一輝
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佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。