今大会最大のハイライトとなったのが、男子における埼玉栄高校 陸上部と昌平高校 駅伝チームによる直接対決です。近年、埼玉の長距離界を二分する両校の争いは、まさに一瞬の戦術判断が明暗を分ける結果となりました。
勝敗を分けた決定的な理由は、「第3区から第4区にかけてのゲームメイクの差」にあります。最長区間である1区(10km)で互角の立ち上がりを見せた後、試合が動いたのは3区(8.1075km)でした。埼玉栄のエースランナーが前半の下り基調で落ち着いてリズムを作り、後半の上り坂で一気にギアを上げてスパート。ここで生まれた約18秒のアドバンテージが、後続区間の選手たちに精神的な余裕を与えました。
一方、昌平は後半区間で猛追を仕掛けたものの、中継所直前の細かいコーナーワークと向かい風で体力を削られ、わずかに届きませんでした。また、3位に入った武蔵越生高校 駅伝チームも5区・6区で区間上位のタイムをマークするなど、上位3強の実力が拮抗している事実を強く印象づけました。