華々しい活躍の裏で、坂上忍の私生活は地獄のような修羅場と化していました。「天才子役」としてスポットライトを浴びていたまさにその時期、家庭は父親の莫大な借金問題によって崩壊寸前に追い込まれていたのです。
父親は出版関係の会社を経営する傍ら、小説家としても活動していましたが、深刻なギャンブル依存(主に競艇や麻雀)と事業の失敗が重なり、最終的に1億円以上もの借金を抱え込むことになります。連日のように自宅には借金取りや暴力団関係者が押しかけ、激しい怒号が飛び交う異様な環境で少年期を過ごしました。
中学時代に両親は離婚しますが、母親が背負わされた連帯保証債務を返すため、坂上忍は「子役を辞める」という選択肢を完全に奪われます。同世代の少年たちが部活動や友情に夢中になっている頃、彼は「自分がテレビに出て稼ぎ続けなければ、家族が路頭に迷う」という極限の重圧と恐怖の中で、過酷な撮影現場に向かい続けていたのです。