だが、すべての店舗が笑みを浮かべているわけではない。法基準を満たす喫煙室の設置や強力な排気設備の導入には、数百万円規模の工事費用がのしかかる。資金力のない小規模店にとっては、存続か廃業かを迫られる過酷な選択だった。
「20歳未満のアルバイトを雇えない」「未成年の客を一切入れられない」という制約も重くのしかかる。家族連れや高校生でにぎわっていた老舗が、喫煙維持を決断したことで客層が一変したケースも珍しくない。経営者は常に、タバコを吸う常連客を守るか、新規の若い層やファミリー層を取り込むかという天秤の上で激しい苦悩を続けている。