細木数子さんの兄弟関係を理解する上で欠かせないのが、波乱に満ちた生い立ちです。数子さんは1938年、東京・渋谷で政治活動家やフィクサーとしての顔を持っていた父・細木之三(ゆきぞう)氏と、母・トヨさんの間に生まれました。家庭環境は極めて特殊で、父には正妻がおり、数子さんやその兄弟は「日陰の身」として育てられた過去があります。
母は渋谷で飲食店を営みながら女手一つで子どもたちを育て上げ、数子さんは幼少期から弟や妹たちの面倒を見る頼れる長女として振る舞っていました。極貧生活から銀座のクラブ経営者へとのし上がった数子さんにとって、兄弟への愛情と庇護の精神は人一倍強いものがありました。弟に対しても時に厳しく、時に惜しみない経済的援助を与えるという、下町の濃密な血縁関係が築かれていたのです。