ファンに惜しまれながらユニフォームを脱いだのは、2012/13年V・プレミアリーグのシーズン終了後でした。当時34歳、まだ第一線で戦える技術と存在感を持ちながら、なぜ彼は引退を決断したのでしょうか。
最大の要因は、長年にわたる両膝の負傷と激しい痛みでした。201cmの巨体で跳び続ける負荷は計り知れず、ボルトを埋め込む手術を受けるなど、現役後半の山本隆弘の肉体はまさに満身創痍の状態でした。試合後には歩行すら困難になるほどのダメージを抱えながら、痛み止めを服用してコートに立ち続けていたのです。
引退シーズンとなった2013年4月、パナソニックパンサーズは見事にリーグ連覇と黒鷲旗のタイトルを獲得。「最高の形でチームに恩返しができた。自分の身体の限界とともに、若い世代が育ってきたことを実感した」と語り、自らの役割を全うした清々しい決意のもと、コートを去りました。