現代の日本人成人男性の平均身長は約170.8cm、女性は約157.5cmである。それに比べ、大正時代の20歳前後の数値は驚くほど小さく見える。当時の文部省が収集した身体検査データによれば、大正時代の男性の平均身長はおよそ160cm、女性は148cmにとどまっていた。現代の感覚で言えば、中学2年~3年生ほどの背丈が大人の平均像だったわけだ。
こうした体格の差異について、身体人類学の専門家は遺伝的要因よりもむしろ成長期の栄養状態や衛生環境の影響が大きいと指摘する。当時は動物性タンパク質の摂取量が格段に少なく、乳幼児期の感染症リスクも高かった。正座を中心とした生活習慣や、重い荷物を背負う作業の多さも骨格の形成に寄与していたと考えられている。