審査員団の講評において、特に高い評価を集めたのは「弱音における音圧の保持」と「ホールの空間を意識したアコースティックの調和」だった。単に音量を競い合う時代は完全に終わりを告げ、オーケストラに匹敵する色彩豊かな表現力こそが勝敗を分けた。
金賞を受賞した団体に対する講評シートには、「個々の確かなテクニックが全体のブレンドを損なうことなく、有機的に絡み合っている」「スコアの奥底にある作曲者の意図を深く読み解いた知的で情熱的なアプローチ」といった絶賛の言葉が並んだ。一方で、銀賞や銅賞に甘んじた団体に対しては、アタックの揃え方やピッチの微細な揺らぎに対するシビアな指摘がなされており、トップ層とのわずかな差がいかに冷徹な現実であるかを浮き彫りにしている。