熱を帯びる高級調理家電の市場において、主役の座を維持し続けているのが炊飯器だ。現在の家電業界を牽引するのは、日本を代表するトップメーカー群である。伝統の加熱技術をミリ単位でブラッシュアップする象印マホービン、土鍋素材の可能性を追求し続けるタイガー魔法瓶、そして独自の可変圧力と可変IHを融合させるパナソニック。各社がしのぎを削る構図は、さながら技術の総力戦と言える。
「10万円を超える高額帯でも売れ行きが落ちない」と大手量販店のバイヤーは明かす。外食を控え、自宅での食卓を格上げしたいという内食需要の定着が背景にある。米の一粒一粒にかかる熱と水分量をコントロールするアルゴリズムは年々緻密さを増し、かつての電気炊飯器とは一線を画す「かまど炊きを超える味」へのアプローチが結実しつつある。