引退から約9カ月後の2026年2月11日、東京プリンスホテルで逸ノ城の断髪式が執り行われました。通常、関脇経験者の断髪式は大相撲の聖地である両国国技館で行われ、師匠が止め鋏を入れるのが相撲界の伝統的な慣例です。
しかし、会場には所属先であった湊部屋の関係者や湊親方の姿はありませんでした。日本相撲協会を通さない「完全プライベート形式」の引退相撲・断髪式として開催され、親方不在の中で支援者や元横綱・白鵬(現・宮城野親方)、元横綱・鶴竜(現・音羽山親方)らモンゴル出身の先輩・同期生、学生時代の恩師らが集結しました。
最後の大銀杏に止め鋏を入れたのは、入門前から逸ノ城を温かく見守り続けた後援会長でした。土俵と部屋に別れを告げるセレモニーは、伝統の形式とは異なる形を取りながらも、怪物の最後を見届けようとする約400名の出席者からの温かい拍手に包まれ、波乱に満ちた髷との決別の儀となりました。