荒川の河川敷を舞台に、常識外れの住人たちが繰り広げる予測不能の日常。中村光が描いた『荒川アンダー ザ ブリッジ』は、従来のコメディ作品の枠組みを鮮やかに飛び越えた。そのアニメ化において、主人公「リク」役に抜擢されたのが神谷浩史だ。
極度の「他人に借りを作りたくない病」を患うエリート青年。彼のツッコミと苦悩は、神谷のスピード感あふれる長台詞と繊細な感情表現によって完全に結晶化した。アニメ業界の第一線で活躍する制作陣も、彼の演技が作品全体のテンポを作り出したと口をそろえる。シュールな笑いの中にふと漂うセンチメンタリズム。原作が持つ二面性を、声の力で見事に立体化した事例と言える。