近年、洋菓子・デザートの世界は急速なアート化とガストロノミー化を遂げている。かつての子ども向けのおやつという枠組みは完全に過去のものとなり、一流のシェフたちが技術と美意識を競い合う舞台へと変貌した。Netflixの傑作ドキュメンタリー『シェフのテーブル』をはじめとする世界的な料理映像作品でも、デザート単体に焦点を当てたエピソードが熱狂的な支持を集めている。
さらにYouTubeやソーシャルメディア上では、パティシエがピンセットを用いてハーブや飴細工を一ミリ単位で配置するメイキング動画が数百万回再生を記録する。グラスの内部を一つの小宇宙に見立て、温度差や香りの揮発まで計算し尽くされた現代のパフェは、もはや食べる彫刻作品だ。その一方で、クラシックなアメリカンスタイルを愚直に守り、温かいファッジソースをアイスにかけるダイナミックなサンデーの復権も同時に起きている。精緻な技巧と直感的な快楽という二極化が、現代のデザートシーンを刺激的なものにしている。