東野圭吾のベストセラー小説を稀代の脚本家・宮藤官九郎が脚色した『流星の絆』は、サスペンスドラマの常識を心地よく裏切った名作だ。両親を惨殺された幼い三兄妹が、大人になり詐欺を働きながら犯人を追い詰めていくという重苦しい復讐劇。だが、宮藤の手によって差し込まれるユーモラスな劇中劇や軽妙なテンポが、物語に重層的な深みを与えた。
長男・有明功一を演じた二宮和也の繊細な演技は、今なお高く評価されている。妹弟を守るために自らの手を汚す兄の冷徹な眼差しと、ふとした瞬間に漏れ出る孤独な少年の脆弱さ。シリアスとコメディの境界線を自在に行き来する脚本の妙味を、キャスト陣の圧倒的なアンサンブルが見事に具現化していた。重厚な悲劇に人間味あふれる可笑しさを織り交ぜる演出スタイルは、後続のドラマ制作にも多大な影響を与えている。