清水ハルマンの人生を語る上で欠かせないのが、夫であり日本演劇界を代表する劇作家・演出家だった清水邦夫との強い結びつきです。2人は1970年代半ばに同志たちとともに劇団「木冬社(もくとうしゃ)」を結成し、数々の名舞台を世に送り出しました。
木冬社において、清水ハルマンは単なる劇作家の妻という枠にとどまらず、公演ポスター、チラシ、パンフレットの宣伝美術から舞台衣装に至るまで、劇団の視覚的アイデンティティを一手に担いました。清水邦夫が紡ぎ出す叙情的で切ないセリフの数々と、ハルマンが描く絵画的な美意識が融合した空間は、当時の小劇場運動の中でもひときわ洗練された輝きを放ち、演劇ファンを熱狂させました。