2009年9月、衆議院議員への初当選直後に『週刊現代』や『週刊新潮』などの大手週刊誌が一斉に報じたのが、田中美絵子氏の過去の芸能活動に関するスクープでした。見出しには刺激的な言葉が並び、国政の場に突如現れた新人議員のスキャンダルとしてワイドショーを席巻することになります。
報道の具体的な内容は、彼女が政界入りする前の20代前半から半ばにかけて、別名義(芸名)等を用いて映画のエキストラ、Vシネマ、イメージビデオ、グラビアなどのタレント・モデル活動を行っていたという事実でした。一部の映像作品において肌を露出したセクシーな役柄を演じていたことが「元グラビア」「ヌード出演」といった形でセンセーショナルに切り取られ、拡散されたのが騒動の発端です。
これに対し、田中氏は当選直後に記者会見を開き、事実関係を正面から認めました。当時の会見や自著の手記において、彼女は次のように赤裸々な胸の内を明かしています。
「地方から上京し、派遣社員やアルバイトを掛け持ちしながら生活費と奨学金の返済に追われていた。明日の生活もままならない中で、紹介された仕事を断る余裕はなかった」
逃げ隠れすることなく、経済的困窮という自身の生い立ちと過去を率直に語った姿勢は、単なるスキャンダル消費にとどまらず、当時の若年層が直面していた非正規雇用問題や貧困の現実を浮き彫りにさせる契機ともなりました。