なぜ今、この作品なのか。その答えは、原作が持つ圧倒的な独創性と哀愁にある。日日日(あきら)による名作小説を映画化した『ちーちゃんは悠久の向こう』は、幼馴染の少年少女が直面する不可解な怪奇現象と、その裏に隠された切なすぎる真実を描いた。単なる脅かしかしのホラーではない。みずみずしい青春の痛みにノスタルジーとSF要素を融合させた手法は、「青春SFホラー」という独自のジャンルを確立した伝説的傑作として評価されている。
日常が少しずつ崩壊していく違和感、放課後の夕 darkness に滲む異界の気配。当時の映画界に与えた衝撃は大きく、角川映画が誇る邦画クラシックスのなかでも異彩を放ち続けてきた。時代を超えて愛される普遍的なテーマ性が、今回の再評価へとながっているのだ。