賃貸住宅から退去する際、敷金から畳の張替え費用が差し引かれるかどうかは、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が重要な判断基準となります。ガイドラインにおいて、家具を置いたことによる床や畳の設置跡(へこみ)は、通常の生活で避けられない「通常損耗(経年劣化)」として扱われ、原則として貸主(大家側)が修繕費用を負担することと規定されています。
しかし、現場では例外が存在します。ベッドの細い脚に全体重とマットレスの荷重が集中し、畳床(芯材)まで破壊するような「著しいへこみ」が生じた場合や、凹み防止対策を怠った結果として畳が裂けたり擦り切れたりしたケースでは、借主の「善管注意義務違反」と判定され、原状回復費用を請求されるリスクが跳ね上がります。
さらに見落とされがちなのが、ベッド下の湿気が原因で発生する「カビ・ダニによる変色・腐食」です。湿気放置による損害は借主の過失とみなされるため、退去時に畳の全面交換費用を全額負担させられる事態に直結します。トラブルを未然に防ぐためには、設置初期からの予防策が不可欠です。