神奈川県鎌倉市に鎮座する鶴岡八幡宮で毎年8月に執り行われる「鎌倉ぼんぼり祭」は、湘南の夏を代表する風物詩として知られる。境内の参道には、文化人やアーティストが自ら絵や書を揮毫した数百基もの大型灯籠がずらりと並び、夕刻の訪れとともに一斉に明かりが灯る。立ち現れる光の回廊は、訪れる客を優雅な幽玄の世界へと誘う。
歴史を紐解けば、大正ロマンを代表する画家・竹久夢二もまた、その独特な美人画や情緒溢れる作品の中で、日本の夜を彩る灯火の情景をこよなく愛した一人であった。歴史ある神社建築と時代を映す多彩なアート表現が融合するこの祭りは、日本の伝統美を後世へ紡ぐ貴重な機会となっている。