御神渡りの成否は、地元の観光業にも直結する死活問題だ。湖上が見事な氷の畝に覆われる冬は、全国から写真家や観光客が押し寄せ、温泉街や飲食店は大きな賑わいを見せる。しかし、「明けの海」が何年も続くと、冬場の集客には厳しい影が落ちる。観光関係者は、氷に依存しない新たな冬の魅力を模索しつつも、やはり湖の結氷を祈る気持ちを捨てきれずにいる。
気候変動という地球規模の課題を前において、地域の伝統をいかに未来へ引き継ぐか。八剣神社の神事や毎朝の観察行為そのものが、現代社会に対して自然との共生を問い直す強いメッセージを放ち続けている。