ひろゆき氏の足跡を語る上で欠かせないのが、掲示板上の書き込み削除に応じなかったことで科された巨額の賠償金問題です。一連のひろゆき氏の裁判まとめを振り返ると、名誉毀損訴訟の敗訴判決は数十件に及び、遅延損害金を含めた賠償総額は推定30億円以上に達していました。
ひろゆき氏はこれらの支払い要請を公然と拒否し続けました。「払う金はあるが、判決に従って支払う義務を自発的に果たす必要はない。取り立てたいなら口座を差し押さえればいい」というスタンスを貫いたためです。当時、日本の民事執行手続きでは債務者の国内口座を特定することが極めて困難であり、原告側は強制執行に踏み切れないケースが多発しました。
民事判決による債権の消滅時効は原則10年です。時効中断の手続きが取られなかった債権は次々と法的な効力を失い、巨額の賠償金の大部分がひろゆき氏の賠償金時効を迎えました。なお、この問題はのちに民事執行法の法改正(財産開示手続の罰則強化など)を引き起こす契機ともなっています。