ミニオンたちの最大の武器は、何と言っても「言葉の壁がないこと」だ。彼らが話す「ミニオン語」は、日本語、スペイン語、フランス語、イタリア語、さらには意味をなさない擬音を絶妙に混ぜ合わせたカオスな造語。しかし、観客は彼らの言いたいことを完璧に理解し、笑い転げる。
この現象の根底にあるのは、チャールズ・チャップリンやバスター・キートン、あるいは『トムとジェリー』が確立した「純粋な視覚的コメディ」の復権だ。監督のピエール・コーフィンが自ら全ミニオンの声を吹き込み、身体言語と完璧な間合いで笑いを生み出す手法は、言語や文化の違いを軽々と飛び越える。説明過多になりがちな現代映画の中で、彼らのセリフに頼らないストレートなナンセンスギャグは極上の清涼剤となっているのだ。