一言主大神を祀る社の中で、特に信仰を集めているのが関西と関東を代表する2つの大社です。
葛城一言主神社(奈良県御所市)は、全国の一言主神社の総本社として知られ、地元では親しみを込めて「いちごんさん」と呼ばれています。境内には樹齢1200年を超える県指定天然記念物の「大イチョウ」がそびえ立ち、乳房のような気根が垂れ下がる姿から、子授けや母乳の出を願う信仰も根付いています。葛城山麓の凛とした空気に包まれた、古社ならではの静謐な佇まいが特徴です。
一方、関東の霊峰として名高いのが茨城県常総市の一言主神社です。大同4年(809年)の創建と伝えられ、境内に「三本の竹が生じ、その中央の竹が三叉に分かれていた」という霊異から三岐の竹(みつまたのたけ)伝説が残ります。茨城の社は、厄除けや商売繁盛、方位除けなどの祈願所として関東一円から厚い崇敬を集めており、年間を通じて数多くの祭典が執り行われています。