SNSやネット掲示板、Q&Aサイトに寄せられる通信費トラブルのリアルな投稿を分析すると、現代の通信契約が抱える「ブラックボックス化」した問題点が浮き彫りになる。
特に目立つのが、「家族回線料金一括確認」を行っていなかったことで起きた長期的な資産損失だ。都内在住の40代会社員男性の手記によると、実家の高齢な母親のスマートフォン代金を「家族割引」で一括口座引き落としにしていたところ、数年間にわたり月額1万円以上が引き落とされ続けていたという。明細を取り寄せて確認したところ、端末購入時に加入させられた複数の有料アプリサービスや故障補償の上位プラン、さらには使われていないタブレット端末の分割金がそのまま放置されていた事実が発覚した。
また、子育て世帯における「キャリア決済の暴走」も深刻な摩擦を生んでいる。小学生の子どもに持たせていたスマートフォンで、親の決済承認パスワードを推測した子どもがソーシャルゲームの課金アイテムを連続購入し、翌月の請求書を見て初めて15万円を超える合算請求に気付いたという悲痛な相談も存在する。キャリア各社は決済利用枠の「上限設定」や「利用制限」の機能を備えているが、初期設定のまま放置されているケースが後を絶たない。
利用者の証言から見えてくるのは、「請求額の合計数字だけを見て、内訳の項目までスクロールしない」という生活者の受動的な態度である。引き落とし口座から現金が引かれている限り日常生活が維持できてしまうため、小さな違和感があっても確認作業を先送りにしてしまう。この「確認の先送り」こそが、無駄な支出を長期化させる最大の温床となっている。