鶴田氏がこの森を造り上げた根本的な動機には、広大な生態系循環への強い想いがあった。「森が豊かになれば、川が浄化され、最終的に海が豊かな恵みを育む」という持続可能な理念だ。落葉樹であるカエデの葉が秋に落ち、微生物によって分解されることで、栄養分に富んだ豊かな腐葉土の層が作られる。
この土壌が雨水をじっくりと蓄え、ミネラルをたっぷりと含んだ地下水となって有明海や唐津湾へと注ぎ込む。結果として、沿岸部の漁場や生態系を支える循環が生まれている。単なる見栄えの良い景勝地づくりではなく、流域全体の自然環境を根底から再生させるという壮大な実験。この試みは、環境破壊が進む現代社会において極めて先進的な民間主導の環境保全モデルとして高い評価を得ている。