日米にルーツを持ち、空間彫刻の可能性を追求し続けたイサム・ノグチ。彼が1988年に急逝する直前まで情熱を注いだ最後のプロジェクトが、この壮大なランドスケープアートだった。ノグチは大地そのものをキャンバスに見立て、山を削り、池を掘り、幾何学的な大建造物を配置した。彼の死後、札幌市と意を継いだ建築家たちの手によって2005年にグランドオープンを果たしたこの場所は、単なる彫刻展示場ではない。人が歩き、風を感じ、空を見上げることで初めて完成する動的な芸術作品なのだ。
2026年、グローバルな観光トレンドは従来の「消費型」から「没入・内省型」へとシフトした。スマートフォンの画面を閉じ、地平線まで広がる芝生の傾斜に身を委ねる。プレイマウンテンの階段を一段ずつ踏みしめながら、頂上で広がる石狩平野の大パノラマを目にしたとき、訪れた人々は自らがアートの一部になったかのような感覚を覚える。ノグチが意図した「子どもたちが地球と遊ぶ場所」というコンセプトは、デジタル過多の現代社会を生きる人々にとって、最も贅沢なリフレッシュの場として機能している。