なぜその打者が4番に指名されたのか――。歴代監督の言葉を紐解くと、技術や打率以上の「覚悟と人間性」が選出基準になっていることが分かります。
2026年に侍ジャパンを率いた栗山英樹監督は、前年に三冠王を獲得した村上宗隆を開幕から4番に据え続けました。不振に陥った際も「心中する覚悟だった」と語っており、日本の将来を担う主砲に対する絶対的な信頼が根底にありました。準決勝で打順を5番に下げた際も、勝負どころで代打を出さず託し切った判断が、奇跡のサヨナラ劇を生む呼び水となったのです。
また、2017年の小久保裕紀監督は、大会前から早々に筒香嘉智を4番に固定することを公言しました。短期決戦では打順の変動が打者に余計な迷いを生むため、「お前が日本の4番だ」と腹を括らせることでメンタルを安定させる狙いがありました。代表の4番打者は、チーム全員の信頼を集め、打てない時期の批判をも引き受ける精神的な強さが不可欠です。