NHKの朝の顔として長年親しまれる情報番組『あさイチ』。この番組で篠山が見せたリポーターとしての手腕は、視聴者のみならず制作陣からも絶大な信頼を得ていた。全国各地の現場へと足を運び、市井の人々に寄り添うその姿には、一切の飾りがなかった。
カメラが回っていない場面でも、地元の住民と笑顔で言葉を交わし、相手の緊張をほぐしていく。そんな舞台裏での真摯な振る舞いこそが、画面越しに伝わる温かい空気感の源泉だったと言える。単なる情報を伝える伝書鳩にとどまらず、現場の情熱や生活者の温もりをありのままにすくい取るスタイルは、彼ならではの特筆すべき才能であった。